日 に ち:11月16日(土)
集合時間:13時25分(出発時間13時30分)
集合場所:JR吉祥寺駅中央改札口前
行 程:井の頭恩賜公園/神田川源流見学~玉川上水/万助橋~千川上水取水口・境橋まで
(全行程約2時間)
参 加 費:会員1,000円、非会員1,500円
※参加費は来年3月末にまとめてお支払いください
(非会員は事前支払い、ただし関係会員との合算可)
江戸連講
10月講「歌舞伎鑑賞」
9月講「吉原の光と闇について」
其角の謎めいた俳句「闇の夜は吉原ばかり月夜かな」が書かれた俳画を手に入れたということで、今回見せて頂けるとのことです。
日 時:9月22日(日)午後2時~4時
場 所:東京ウイメンズプラザ第1会議室B&オンライン(Zoom)配信
講 師:渡辺憲司氏(立教大学名誉教授・元自由学園最高学部学部長。遊里史研究の大家)
会 費:会場参加 会員1,000円、非会員1,500円
Zoom参加 会員500円、非会員1,000円
報告
9月講は、渡辺憲司講師の「吉原の光と闇について」で、参加者は現地27名、Zoom 9名でした。講師は立教大学名誉教授・元自由学園最高学部学部長で遊里史研究の大家。其角自筆?・破笠画「闇の夜はよしはらばかり月夜かな」(軸装)を講師は購入し、真贋はともかく句を聞句とみると初句で切れるか、二句目で切れるかで吉原は光の場か闇の場ととらえるかで分かれる。講師は実景として吉原たんぼの中で異様に光り輝く歓楽街を想像することが自然であろう(明暗両面を見なくてはならない)と説明。芭蕉の弟子の宝井其角(明?)と各務支考(暗?)を比べて江戸座(吉原、深川)・田舎蕉門(名古屋) 派手軽み粋・わびさび 明暗と見ることができるか。芭蕉と吉原につながる3人。宝井其角(俳諧師、芭蕉の一番弟子)、小川破笠(漆芸家、絵師、英一蝶に学んだ?俳諧師、芭蕉に学ぶ)、英一蝶(絵師、幇間【豪商、大大名も相手】としても活動、芭蕉や其角と交友関係、当時の芸術サロン的な人々【文化人や趣味人、後援者】とも交流)の3人の反骨精神には宗教的なものがあり、そこには日蓮宗があるのではないかと講師は考えているようでした。
以上 文責:小嶋 光
8月講「水の都・江戸の名橋」-墨田川の橋、日本橋、水道橋、他-
日 時:8月17日(土)午後2時~4時
場 所:東京ウイメンズプラザ&オンライン(Zoom)配信
講 師:荻原延元(江戸連会員・日本画家・川村学園女子大学名誉教授)
会 費:会場参加 会員1,000円、非会員1,500円
Zoom参加 会員500円、非会員1,000円
報告
8月講は、江戸連会員で川村学園女子大学名誉教授の荻原延元氏の「水の都・江戸の名橋」で、参加者は現地18名、Zoom 11名でした。
歌川広重の「名所江戸百景」や葛飾北斎の「富嶽三十六景」など、色々な浮世絵に描かれる印象的な江戸の水や橋にまつわる話をたっぷりと伺うことができた。隅田川の名橋として選ばれた10の橋には、関東大震災の復興事業で架け替えられた橋が多く含まれる。「名所江戸百景」は個人的にも大好きで、私が江戸川区に住んでいることもあり、隅田川の橋はとても身近に感じられた。「深川州崎十万坪」の大鷲が狙っている桶が早桶(棺桶)ではないかという説や、ゴッホの「アイリス」は「堀切の花菖蒲」から影響を受けたのではないかという話は大変興味深かった。また、三囲(みめぐり)神社の三越のライオン像と白髭橋近くの防災団地は実際に見に行ったことがあり、ブラタモリ「東京・目黒」の回で三田用水の跡が放映されたことも懐かしく思えた。
以上 文責:山本 秀美
7月講「江戸の悪所(吉原、品川、芝居など)で遊ぶにはいくらかかるか」
日 時:7月15日(月・祝)午後2時~4時
場 所:東京ウイメンズプラザ第一会議室B&オンライン(Zoom)配信
講 師:荒井孝昌氏(江戸連会員。元東京国際大学学長)
会 費:会場参加 会員1,000円、非会員1,500円
Zoom参加 会員500円、非会員1,000円
報告
7月講は、江戸連会員で元東京国際大学学長の荒井孝昌氏の「江戸の悪所(吉原、品川、芝居)で遊ぶにはいくらかかるか」で、参加者は現地19名、Zoom 9名でした。
テーマに関連する簡単な歴史の話からはじまり、江戸時代に悪所(あくしょ)と呼ばれた遊里と芝居町で遊ぶには、お金がいくら位必要だったのか学ぶことができた。江戸時代のお金の仕組みはとても複雑で、現在の貨幣価値に換算するのは難しいが、1両を10~12万円で考えたとのこと。男性は吉原や品川などの遊里に、芝居好きの人達はひいきの役者を見に芝居町に、決して安くはないお金を遣いに、気合いを入れて行ったことだろう。庶民は、世知辛い世の中を生き抜くために楽しみや趣味を必要とし、悪所に通った。今の世の中も同じで、何か生き甲斐や推しがあれば、働くのも楽しくなるというものである。参考資料の浅草近辺の江戸切絵図、伊能忠敬日本図(中図)、シーボルトの日本図も個人的に大変興味深く、次回はぜひ地図に関する話を伺いたいと思った。
以上 文責:山本 秀美
6月講「殿様は幕末・維新期をどう生きたのか」
日 時:6月29日(土)午後2時~4時
場 所:東京ウイメンズプラザ第一会議室A&オンライン(Zoom)配信
講 師:増田由明 氏(港区芝の語り部、EDOカフェ代表、江戸検定1級)
会 費:会場参加 会員1,000円、非会員1,500円
Zoom参加 会員500円、非会員1,000円
報告
6月講は、港区芝の語り部、EDOカフェ代表、江戸検定1級の増田由明講師の「殿様は明治をどう生きたのか」、参加者は現地21名、Zoom 11名でした。幕府と大名の関係・版籍奉還、廃藩置県等幕末維新前後の殿様の置かれていた時代環境の説明。①島津久光、忠義、②毛利敬親、③松平容保、④松平定敬、⑤徳川慶勝、⑥上杉茂憲、⑦松平春嶽、⑧山内豊信、⑨鍋島直正、⑩林忠崇、⑪蜂須賀茂韶、⑫戸田氏共、⑬浅野長勲、⑭酒井忠篤、⑮徳川慶喜の15名殿様のランク、家格、藩の状況による維新前と維新以降の生き方を講演して頂きました。嘉永6年(1853)ペリー来航から明治4年7月14日の「廃藩置県」までのわずか19年間が幕末維新で、日本が大きく変わった大転換期である。それまで、各藩は幕藩体制の中で独立性が保たれて、一国単位で法と文化のまとまりを持ち、独立性を持って運営されてきた。二百八十家にのぼるすべての大名が、幕末維新の時代に社会改革がどうされていくのかを真剣に考えていたとは思われない(講師結語より)。15名の殿様の置かれた環境変化による生き様をもう少し詳しく聞きたかった講演でした。
以上 文責:小嶋 光
5月講「小布施日帰りバス旅行・葛飾北斎と小林一茶を訪ねて」
日 時:5月25日(土)午前8:00
集合場所:JR阿佐ヶ谷駅南口 ローターリ脇
行 程:8:30 阿佐ヶ谷駅前出発
12:20 小布施着、高井鴻山記念館見学(ガイド新実さん)、街並み散策
13:30 昼食「北斎亭(一茶御膳)」
14:00 北斎館見学(現地ガイド付き)
14:45 小布施堂駐車場出発、梅松寺立ち寄り岩松院へ向かう
15:00 岩松院参拝。天井画拝見(現地ガイド付き)
境内一茶碑の前で、一茶研究家の小林暢雄氏の「小林一茶と小布施」の講話
15:45 岩松院出発、帰路。途中、横川SAの「峠の釜飯店」立ち寄り
20:00 荻窪駅着、解散
参加費:一人12,000円(当日現金支払い)
募集人数:27名
報告
本企画は2019年に実行予定であったが、台風被害やコロナ禍により延期となっていたもので、ようやく念願の企画が実行できた。当日は絶好の行楽日和で、27名満席でバスは阿佐ヶ谷を出発。新実氏の力作の資料による案内を聴き、準備万端の状態で小布施に到着。髙井鴻山記念館では、北斎と鴻山の交流によって小布施に残された数々の作品を鑑賞し、北斎のアトリエなども見学。昼食は北斎亭で小布施名物の栗おこわを堪能。北斎館では、学芸員さんの説明を受けた後に、企画展「北斎と感情」の版本挿絵や祭り屋台の天井画を鑑賞。バスで岩松院に移動し、ガイドの説明を受けながら天井絵「八方睨み鳳凰図」を見学。境内にある蛙合戦の池に移動し、小林一茶「蛙の句碑」の前で小布施の一茶研究者・小林暢雄氏の話を伺った。見たいもの・見るべきもの満載の小布施での時間はあっという間に過ぎ、個人的にまた行きたいと思える旅となった。
以上 文責:山本 秀美
総会および4月講「浮世絵に描かれた千石船」
日 時:4月28日(日)13:00~16:00
13:00~14:00 総 会「2023年度活動報告と決算、2024年度活動方針と予算、その他」
*欠席の場合:圓山代表理事へ委任状を送信して下さい*
14:00~16:00 4月講「浮世絵に描かれた千石船」
講 師:柘植信行氏 品川歴史館専門委員(元・同副館長)
場 所:東京ウイメンズプラザ第一会議室およびZoom配信
講会費:会場参加 会員1,000円、非会員1,500円
Zoom参加 会員500円、非会員1,000円
報告
4月講は、品川歴史館専門委員(元・同副館長)の柘植信行講師の浮世絵に描かれた千石船で、参加者は現地25名、Zoom 7名でした。品川宿を描いた浮世絵は多数あるが、品川沖に停泊する多くの廻船が描かれており、その廻船の数は誇張されたものなのか?との問題提起から始まった。江戸内湾の海運は下田で行われていた船改めが内湾最初の良港である浦賀湊に浦賀奉行所・船番所が開設され、廻船の船改めが行われることとなった。江戸時代の海運は江戸への御城米・藩米運送に始まる。造船技術の向上・帆船の大型化により東廻り航路・西廻り航路など江戸への航路が充実した。廻船集団により運行と流通システムが整備され三都を中心に問屋仲間を組織化した。<菱垣廻船・樽廻船・北前船・内海船>江戸中期以降海運の主力船として弁才船(千石船)と言われる大型船が出現した。品川沖の重要性は江戸内湾の海運の要として諸国の廻船が停泊していた。各藩の江戸への航行日記等によれば品川沖の停泊は28日に及ぶなど長期であった。これにより品川沖には常に多くの廻船が停泊していた事が証明された。写真の無かった時代の絵画(浮世絵含む)は記録図版との認識を新にする講演でした。
以上 文責:小嶋 光
3月講「家康の外交政策と朝鮮通信使」
日 時:3月20日(水・祝)午後2時~4時
場 所:東京ウイメンズプラザ第一会議室B&オンライン(Zoom)配信
講 師:江藤善章 氏
1949年北九州市生まれ。早稲田大学卒。埼玉県で高校社会科教員として勤務後、2010年から韓国
国立木浦大学に留学。帰国後、東日本大地震や能登地震の支援活動の中心メンバーとして活躍。
また長年にわたり研究課題としてきた日本と朝鮮との歴史についての講演や、パンフルートの
演奏者(30年のキャリア)としても活躍。今回も講演だけでなく、パンフルートの演奏も
お願いしています。
会 費:会場参加 会員1,000円、非会員1,500円
Zoom参加 会員500円、非会員1,000円
報告
3月講は「家康の外交政策と朝鮮通信使―で交わりは豊かさを生み、憎しみは悲しみを生む」で現地参加25名、Zoom参加16名でした。講師は市立大宮北高校元教師で木浦国立大学国際交流教育学院留学。家康の外交政策や朝鮮通信使について研究。パンフルートの演奏家でもある。2017年、歴史的価値の高い文書などを対象にした「世界の記憶」(世界記憶遺産)に、江戸時代の朝鮮王朝が派遣した外交使節「朝鮮通信使」に関する資料の登録を認めた。朝鮮通信使は朝鮮国王が徳川将軍家に派遣した使節団。対馬(長崎県)や江戸を経て、徳川家康が祭られる日光東照宮(栃木県)まで、一行が通った地域に外交文書や行列の様子を記した絵などが残っており、日韓の関係自治体や民間団体が共同で計333点の登録を申請していた。豊臣秀吉による朝鮮侵略後、徳川家康の善隣友好という強い信念(徳川幕府が安泰であるためには、周辺隣国との友好関係が必要である)により国交回復交渉を行った。江戸時代、朝鮮国からの通信使の来日に対する国を挙げての歓迎行事を通じて、日本の民に幕府の権威を強く印象づけることに加えて、貿易による物資の交流や朝鮮の進んだ学問や文化を吸収するメリットがあった。講演後、パンフルートの演奏は講師の心の広さを表現するような音色が印象的でした。
以上 文責:小嶋 光
2月講「洒落本と随筆にみる吉原遊郭の音楽文化」
音が残されていない江戸吉原遊郭の音楽文化を、文字と絵から解き明かし、その文化レベルの高さの観点から吉原遊郭を見直そうとする、極めてユニークな研究成果を語る
日 時:2月23日(金・祝)午後2時~4時
場 所:阿佐ヶ谷区民センター第一集会室&オンライン(Zoom)配信
講 師:青木慧 氏 東京藝術大学大学院音楽研究科博士後期課程在籍
作詞/脚本家・演奏家(歌/ピアノ)としても活動中
会 費:会場参加 会員1,000円、非会員1,500円
Zoom参加 会員500円、非会員1,000円
報告
2月講は「洒落本と随筆にみる吉原遊郭の音楽文化で」現地参加30名、Zoom 参加16名でした。講師は東京藝術大学大学院音楽研究科博士後期課程在籍中で音が残されていない江戸吉原遊郭の音楽文化を、文字と絵から解き明かし、その文化レベルの高さの観点から吉原遊郭を見直そうとする、極めてユニークな 研究成果を講演して頂きました。①吉原遊郭は言葉・服飾・しきたりなど社会を魅了した吉原ブランド②ガイドブックである吉原細見他洒落本、随筆など文人と遊里は切り離せない関係③遊女と芸者の音楽を浮世絵等から見て取る。それぞれが多種の楽器を奏で、役割は明確。芸者(宴会のBGM)遊女(客との密接な関係維持)④吉原遊郭の音楽情報は随筆にも様々記録されているが、「はやり歌(流行歌・時花歌・巷歌とも)」という言葉により記録された情報が圧倒的に多い⑤【岡崎女郎衆】【潮来出島】など全国から訪れ出入りする遊客により今日まで歌い継がれている民謡の宝庫⑥文学研究に基づき、江戸吉原遊郭の「音」空間を限りなくリアルに「再現」する試みは世界初。吉原のある一夜の音。ざわめき・すががき・足音・遊女の声・酒宴の笑い声・話し声・芸者のBGM。瞑目していると「燗酒もう一本」の気分でした。東京藝大ほか主催の「大吉原展」が炎上しているようですが、粋な文化に今の理屈であれこれ言うのは無粋と思いました。
以上 文責:小嶋 光
1月講「谷中七福神巡り」
日 に ち:2024年1月6日(土)
集合時間:13時(午後1時)
集合場所:JR上野駅・公園口改札出て正面、東京文化会館前
行 程:弁財天(不忍池弁天堂)-大黒天(護国院)-寿老人(長安寺)-毘沙門天(天王寺)
-布袋尊(修性院)-恵比寿(星雲寺)-福禄寿(東覚寺)
全行程約5.0㎞ 2時間30分~3時間 7,000歩~8,000歩
参 加 費:会員1,000円、非会員1,500円
新 年 会:「目利きの銀次」 田端北口駅前店(会費3,500円/人)
報告
1月講は谷中 七福神巡りで、晴天と冬とは思えぬ暖かさに恵まれた街歩きとなり、外部の方も含めて22名が参加されました。JR上野駅・公園改札口正面、東京文化会館前に時間通り集合。圓山代表理事の新年の挨拶の後、案内役の松本氏の先導により出発。最初は、不忍池弁天堂(弁財天・御利益愛敬)にお参りの予定でしたが流石に上野長蛇の列。最後尾に並びましたが、これからの時間も考慮して遠くからの参拝になりました。上野動物園のモノレールをくぐり、清水坂をゆったりと上り護国院(大黒天・御利益富財)長安寺(寿老人・御利益長寿)に参拝。谷中霊園の天王寺五重塔跡にて小休止と恒例の記念撮影を実施。天王寺(毘沙門天・御利益威光)には朝ドラで有名になった「日本の植物学の父」といわれる牧野富太郎の墓があります。JR日暮里駅を抜け緩やかに上る御殿坂を歩いて行くと、谷中銀座商店街に通じる「夕やけだんだん」と呼ばれる階段。出店、富士山の見えなくなった「富士見坂」を下から見学などなかなか歩が進みませんでしたが、修性院(布袋尊・御利益大量)青雲寺(恵比寿・御利益正直)と参拝。最後の東覚寺(福禄寿・御利益人望)までは約1㎞、20分の行程でしたが完遂。無事七福神巡りを終える事ができました。
今回も渡辺さんによるZoomライブ配信を実施し3人の方が参加「七福神巡りのコースを再認識。休みなく歩くのは大変だがZoom参加できて感謝」等のご意見を頂きました。
以上 文責:小嶋 光
2023年12月講「江戸の芸能づくし」
日 時:12月16日(土)午後1時半~5時
場 所:新宿歴史博物館およびオンライン(Zoom)配信
予 定:13:30~15:00 投扇興
15:15~15:45 落語「粗忽の釘」 花伝亭長太楼師匠
16:00~16:30 紙芝居「瞼の母(長谷川伸)」寿々方・江戸がたり宗家
〃「曽根崎心中(近松門左衛門)」寿々方・江戸がたり宗家
16:30~17:00 落語「抜け雀」 花伝亭長太楼師匠
会 費:会場参加 会員1,000円 非会員1,500円
Zoom参加 会員500円 非会員1,000円
忘年会:12月16日(土)午後6時~8時
場 所:「魚雅」 新宿区四谷三栄町15-4 第一原嶋ビル1F ℡03-6709-9615
歴史博物館からJR四ツ谷方面に徒歩5分
会 費:飲み放題付き。男性一人5,000円、女性一人4,000円
人数制限あり、20名まで申し込み先着順
報告
12月講は恒例の「江戸の芸能づくし」で参加者は現地19名、Zoom 5名でした。落語はご存じ花伝亭長太楼師匠の「粗忽の釘」「抜け雀」の2題。江戸がたり家元寿々方さんの大人の紙芝居「瞼の母(長谷川伸)」「曾根崎心中(近松門左衛門)」の2題。粗忽の釘は、引越し先に箪笥を背負ったままなかなかたどり着かない粗忽者の亭主の話。抜け雀は、宿屋に長期滞在する若い絵師が宿賃の代わりに衝立に描いた雀が餌を求めて飛び立つ話。粗忽者と親子の名人絵師の話2題でした。瞼の母は、ご存じ番場の忠太郎も曾根崎心中も文楽、歌舞伎、映画等形を変えて発表され続けていますが、大人の紙芝居も趣が違い興味深い時間でした。各演目の幕間には、江戸連会員である三宮さんのYouTubeによるマジックの配信も行われ、会場参加者、Zoom参加者ともに歓声が絶えませんでした(玄人はだし)。
芸能に先立ち有志12名による投扇興も行われ、江戸連白石事務局長の優勝により今年が締め括られました。「笑門来福」
以上 文責:小嶋 光
2023年11月講「江戸吉原の思案橋・衣紋坂・見返り柳と三都・遊郭の構図」
三都(江戸・京都・大坂)の遊郭がどのような”人集めの構図”を考えて作られたのかについてお話して頂きます。
日 時:11月25日(土)午後2時~4時
場 所:東京ウイメンズプラザ第一会議室&オンライン(Zoom)配信
講 師:松本崇男氏(江戸連会員、坂学会理事長)
会 費:会場参加 会員1,000円、非会員1,500円
Zoom参加 会員500円、非会員1,000円
報告
11月講は、松本崇男講師の「江戸吉原の思案橋・衣紋坂・見返り柳と三都・遊郭の構図」で、参加者は現地14名、Zoom 13名でした。講師は江戸連会員、坂学会理事長です。三都遊郭には共通して思案橋、衣紋坂(橋)、見返り柳がありそれは地名ではあるが場所を特定する他に何かあったのではないか。遊郭に遊びに行く人々の心を沸き立たせる仕掛けではなかったか?と考察。遊郭以外にもこれらと同名の坂、橋、柳は存在しているが命名の由来がそれぞれにあり興味深い。傾城の成立は天正13年(1585)、大阪で秀吉が大阪三郷(新町、天満など)で営業していた遊女に営業許可を与えたことに始まる。大きな要因は泰平の世の中になった事であるが、賦課金の徴収が一番ではなかったのかと思う。
①橋の名前と位置変遷図
②三都および長崎の傾城町成立年表
③遊郭の坂:思案橋、衣紋坂(橋)、見返り柳
所在地と名称一覧など講師がまとめられた場所、時代、名称のマトリックス表にて時代の変遷と共通点などが明確になり興味深い講演でした。
以上 文責:小嶋 光
2023年10月講「江戸時代における妖怪文化の展開」
現代に繋がる、江戸時代に飛躍的に拡がった妖怪文化。
江戸時代の妖怪の絵画や遭遇談などを通して、その「なぜ」を探る。
日 時:10月29日(日)午後2時~4時
場 所:東京ウイメンズプラザ第一会議室A&オンライン(Zoom)配信
講 師:湯本豪一(こういち)氏 民族学者。日本風俗史家
著書:今昔妖怪大鑑、妖怪あつめ、妖怪百物語絵巻、百鬼夜行絵巻、他多数
会 費:会場参加 会員1,000円、非会員1,500円
Zoom参加 会員500円、非会員1,000円
報告
10月講は、湯本豪一講師の「江戸時代における妖怪文化の展開」で、参加者は現地15名、Zoom 13名でした。講師は民俗学者、日本風俗史家で川崎市民ミュージアム学芸員、学芸室長を歴任。湯本豪一記念日本妖怪博物館/広島県三次もののけミュージアム・名誉館長。妖怪関連他著書が多数あります。妖怪は自然に対する畏怖、心の不安、闇の中から感じる気配などから想像を逞しくして生まれたと言われている。噂や伝聞などで広まったが圧倒的なインパクトで多くの人に存在をアピールしたのは、描かれることによって視覚情報化されたから。現存する最古の描かれた妖怪資料は中世の絵巻物(一点一点描かれる肉筆)で、大きな広がりにはならなかった。江戸時代における木版印刷技術の発達により幾多の妖怪が錦絵、版本などに登場し誰もが簡単に妖怪に接し、身近に感じる状況になった。①畏怖する怖い②怖くない、可愛い、友達感覚という妖怪の二分化が同時進行した。この展開は現代にも続き、妖怪は日本のユニークな文化として海外からの関心も高まっている。妖怪・幽霊・幻獣という新たな分類もするようになっている。多数の図版の説明により妖怪文化の歩みが良く分かる講演でした。
以上 文責:小嶋 光
2023年9月講「国際情勢から見た、幕末日本の開国」
諸外国の開国圧力に揺れた幕末日本-欧州に於けるクリミヤ戦争の背景のなかで考察する
日 時:9月17日(日)午後2時~4時
場 所:東京ウイメンズプラザ第一会議室B&オンライン(Zoom)配信
講 師:清水学氏(江戸連会員)「中央ユーラシア総合調査会」常任理事
会 費:会場参加 会員1,000円、非会員1,500円
Zoom参加 会員500円、非会員1,000円
報告
9月講は、清水学講師の「国際情勢から見た、幕末日本の開国」で、参加者は現地11名、Zoom 19名でした。講師は江戸連会員で現在「中央ユーラシア総合調査会」常任理事。副題として諸外国の開国圧力に揺れた幕末日本(1850年代中期)-欧州に於けるクリミア戦争(1853~1856)の背景のなかで考察するで、よりグローバルな視点で関連を考えてみるでした。クリミア戦争は①宗教戦争、東欧・中東における宗教的覇権抗争が一つのきっかけ②ドナウ川が黒海に注ぐ所とコーカサス山脈地域を抑えることによる東西海運流通の掌握③クリミア・タタール人などの人種問題等、現在のウクライナ・ロシア戦争の状況と根本的に同じであると思い、第3次世界大戦に進展していく可能性を危惧しました。また、クリミア戦争における参戦国の意図、力関係により開国について日本は対応に苦慮したが、クリミア戦争の情報収集を詳しく行い、ロシアが守勢に回っており、英仏側が攻勢にでていることを認識していた。開国プロセスは日本対米欧列強との力関係で進んだと思っていましたが、同時期に起きたクリミア戦争との関連は新たな視点を得た講演でした。
以上 文責:小嶋 光
2023年8月講「江戸の旅と食」
日 時:8月12日(土)午後2時~4時
場 所:東京ウイメンズプラザ第二会議室&オンライン(Zoom)配信
講 師:青木直己氏
会 費:会場参加 会員1,000円、非会員1,500円
Zoom参加 会員500円、非会員1,000円
報告
8月講は、青木直己講師の「江戸の食と名所と旅」で、参加者は現地17名、Zoom 15名でした。
江戸時代の庶民は旅行好きで、思っていたよりも色々な場所に旅に行っていたことを知りました。信仰のために、遠くは伊勢神宮へお伊勢参りに行ったり、関所手形が必要ない近場(武蔵御嶽神社や秩父三峯神社など)に行ったりしました。旅の行程はもちろんのこと、旅の楽しみである食について、何を食べたかの記録が詳細に残っていることが非常に興味深かったです。歩いて旅をするには、エネルギー補給は必須であり、せっかく食べるならその土地の名物を食べたいと思うのは、今も昔も変わらないのでしょう。また、14代将軍徳川家茂が幕末に江戸から大坂へ行った際に、庶民と同様に、土地の名物を食べていたことは面白かったです。講師の著書『幕末単身赴任 下級武士の食日記』を読み、NHKの時代劇「幕末グルメ ブシメシ!」も見たことがあるため、別の機会に武士の食に関する話も伺いたいと思いました。
以上 文責:山本 秀美
2023年7月講「平家物語」
日 時:7月15日(土)午後2時~4時
場 所:東京ウイメンズプラザ第一会議室&オンライン(Zoom)配信
講 師:川島信子氏 琵琶奏者
会 費:会場参加 会員1,000円、非会員1,500円
Zoom参加 会員500円、非会員1,000円
報告
7月講は、川島信子講師の「琵琶~その音と語りの世界~」で、参加者は現地38名、Zoom 9名でした。講師は桐朋大学芸術学科卒業。薩摩琵琶を鶴田流、岩佐鶴丈に師事。一日体験教室「まなびわ」を毎日開講中。NHKの「邦楽のひととき」出演。琵琶楽コンクール上位入賞多数。古典のみならず洋楽器と共演し現代音楽にも挑戦し幅広く活動されています。
講演の内容は実演①「祇園精舎」琵琶という楽器について(余韻の音が琵琶の魅力。聞くぞという心構えがあれば良さが伝わる。歌ものと語り物、琵琶は物語を伝える語り物)実演②「那須与一」何故、琵琶で平家物語を語るのか(与一は曲中17歳。人が死なない物語が良い)実演③「壇ノ浦」琵琶の可能性について(薩摩琵琶の流れをくむ鶴田流の創始者である鶴田錦史が1965年の映画「怪談」のために作った。今迄の琵琶には無かった革新的な演奏をした。弦の太さ、撥を本体に当てる等)実演④「花嫁人形」(「なぜ泣くのだろう」を物語として琵琶の音色と共に伝えたい)のスケジュールでした。実演を堪能するとともに講師の琵琶に対する愛情を感じる講演でした(質疑応答では多種多様な質問が多数ありました)。
以上 文責:小嶋 光
2023年6月講「黄表紙を楽しむ(続編)」
日 時:6月18日(日)午後2時~4時
場 所:東京ウイメンズプラザ第二会議室&オンライン(Zoom)配信
講 師:神山直樹氏 江戸連会員
会 費:会場参加 会員1,000円、非会員1,500円
Zoom参加 会員500円、非会員1,000円
報告
6月講は、会員の神山直樹講師の「黄表紙を楽しむ(続編)」で、参加者は現地15名、Zoom 16名でした。2月講「黄表紙を楽しむ」が大変好評で、駆け足となってしまった「私の選ぶ黄表紙10選」を、あらためて聴くことができました。
黄表紙というジャンルを切り開いた最初の作品や、あの大田南畝に「古今の大出来大出来」と評された山東京伝の出世作、黄表紙の最高傑作と言われる作品など、バラエティに富んだ10の黄表紙について、あらすじ、表紙、名場面を中心に説明を受けました。黄表紙を理解するためには、当時の流行や中国の詩、歌舞伎や能など、色々な知識が必要でかなり手強いですが、江戸時代の人々が黄表紙の何を楽しんでいたのか、垣間見ることができた気がします。絵の余白に文章が配されているため場面の想像はしやすいですが、ひらがなやカタカナが多用されているのに、読めそうで読めません。古文書を勉強中の私は何とも歯がゆい気持ちになりましたが、江戸時代の人々と同じように、駄洒落やナンセンス、パロディを純粋に楽しもうと思い直しました。
以上 文責:山本 秀美
2023年5月講「江戸を制覇した醸造業~“酒は関西もの、醤油は関東もの”の何故?」
日 時:5月21日(日)午後1時30分~3時30分(※開始時間がいつもと違います!)
場 所:東京ウイメンズプラザ第一会議室A&オンライン(Zoom)配信
講 師:宮川都吉氏 江戸連会員・農学博士
会 費:会場参加 会員1,000円、非会員1,500円
Zoom参加 会員500円、非会員1,000円
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5月講は、会員で農学博士の宮川都吉講師の江戸を制覇した醸造業「酒は関西もの、醤油は関東もの」は、なぜ?で、参加者は現地21名、Zoom 14名でした。今回の講演の基は日本酒の講演もしている宮川講師に「同じ醸造の醤油の話は」とのアプローチがあっての事だそうです。酒も醤油も同じ醸造業であるが、酒造りは難しいが結論です。醤油醸造は紀州の漁師が銚子に移住し、関西の醤油製造法を伝えた。下総(銚子・野田)で醤油醸造が成功したのは、①原料(大豆、小麦)の調達が容易、②干鰯を資金源とした大規模化、③江戸への舟運の利便、④江戸の食文化に最適な調味料、⑤高濃度の塩により腐造の恐れなく比較的容易に醸造産物が得られる。対象的に塩を使わない酒の醸造には、極めて高度な技術が必要。江戸の酒造業は関西酒造技術との差は大きく、火入れ処理と製品管理の初歩的な問題で多くの酒屋が破綻した。醸造の工程は似ているが、醤油は耐塩性の微生物、酒は水と技術が核心だと思いました。
(講師私見、なぜ醤油醸造に小麦が使われるか?)小麦に含まれる蛋白質(グルテン)がうま味物質グルタミン酸となり、醤油諸味に大量蓄積するため、との見解は「味の素」の商品化の事と共に興味深かった。
以上 文責:小嶋 光
2022年度総会および4月講「西宝珠河岸・小流寺縁起から利根川東遷を再考する」
日 時:4月23日(日)13:30~16:00
13:30~14:00 総 会「2022年度活動報告と決算・2023年度活動方針と予算・その他」
*欠席の場合、代表理事圓山さん宛てに「江戸連理事会」へ委任状を送信して下さい*
14:00~16:00 講演「西宝珠河岸・小流寺縁起から利根川東遷を再考する」
講 師:新實正義氏(江戸連会員)
場 所:東京ウイメンズプラザ 第一会議室
会 費:会場参加 会員1,000円、非会員1,500円
Zoom参加 会員500円、非会員1,000円
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4月講は、会員の新實講師の庄和町・西宝珠河岸「小流寺縁起」から利根川東遷を考えるで、参加者は現地18名、Zoom 9名でした。まず、今回の講演の基となる「小流寺縁起」考の著者、所利喜夫が講師の新實さんの奥様の従兄であり、毎年、年始の時に酒を酌み交わしていたという偶然に感嘆の声が響きました。4年程前にご逝去したため、直接話を聞けなかったそうです。
1. 東遷事業肯定説(歴史的な資料はなく、幕府は国策として施工したことを実証しなければならなかった。基本的に再検討)
2. 東遷事業疑問説(江戸初期についての論文はおおむね「新編武蔵風土記稿」や「下総国旧事考」といった後代の記述に基づいており、同時代の確実な文書、記録による研究の必要性が強調された)
3. 東遷事業否定説(事業の最大の狙いは舟運の開発と安定であり、常陸川への利根川の放出はその結果としての現象で当初から目的化されたものではない)
「小流寺縁起」を読み解くことにより、1~3の説を確定できるかとの講演だと理解しました。質疑応答は熱の籠った議論となりました。今回の講演もそうですが、新實講師の膨大な資料の読み込みには感服します。
以上 文責:小嶋 光