古文書連

11月・12月の報告

                         古文書連幹事長 圓山謡拙

 江戸連機関誌9号に「古文書という知の鉱脈」という雑文を掲載して「江戸連の中にも古文書好きが結構いそうなので、そのうち古文書連でも旗揚げしようかと思っている。」と決意表明してから早6年近くが経過したが、今回ようやく旗揚げに漕ぎ着けることができた。その一番の要因は神山直樹さん(会員・機関誌編集担当。古文書歴10年強)という講師としての力量を持ち、かつ豊富な古文書資料を持った人材を江戸連内で確保できたことである。
二番目の要因は江戸連の中に「いつか機会があれば、古文書を勉強してみたい」という潜在的古文書ファンが大勢いたことである。発足呼掛けに、どれだけの人が参加してくれるのか全く自信はなかったが、30人を超える人が参加してくれたことに驚くとともに感謝している。そして参加された会員から「未知の世界に迷い込んだ感じです。なんかワクワクして講義を受けました。」とか「古文書連の翌日に四谷の消防博物館へ行きました。(江戸時代の)書状や高札の文字もとても興味を深く感じました。」とか「変体仮名をいくつかマスターでき新鮮な思いだ。」などのうれしい感想を頂く一方、「一時に大量の資料を渡し過ぎで、消化不良になっている。」「もっと時間をかけてゆっくりと進めて欲しい。」「初歩的なものに重点を置いて欲しい。」「古文書は声を出して読んで欲しい」などの率直なご意見を頂いた。こうした指摘を肝に命じ、”面白い教材”を”丁寧”に”時間”をかけて今後の古文書学習を行っていこうと思っている。
 11月(一回目)及び12月(二回目)の古文書連では、①「たけくらべ(樋口一葉)」の冒頭部分②一枚もの「京都洛西珍事之次第」「あほうの番付」③「百人一首」の天智天皇と持統天皇部分④「年玉日待噺」の門松・萬歳部分⑤「主鈴殿之趣」(三次藩跡継ぎ問題)などをテキストとして取り上げたが、欲張りすぎた感が否めず猛反省!
しかし、参加してくれた江戸連の皆様の熱心さと好奇心の強さには驚かされた。