2018年2月月例会の報告

 2月9日、今年1回目の天気は晴れ、会場はいつもの阿佐ヶ谷市民センターの4階和室。参加者10名。
昨年11月の懇親会で「きもので投扇興を楽しもう!」と盛り上がったことを筆者はすっかり忘れていたのですが、圓山さん、白石さん、塩出さんが着物姿でさっそうと登場! 会場は何とも言えない優雅な雰囲気に包まれました。
奥さんの厳しい指示に従って足袋を履き、蕎麦打ちの帽子をかぶり、新婚時代に両親から贈られたという着物を身に着けた白石さん、いつも裸足+雪駄で街中を歩く白石さんの姿はどこにもありません。
「馬子にも衣裳」という失礼な某氏のつぶやきにも動じることなく投扇に集中、次々と高得点を連発、勝ち進みます。
白石さんのあまりの変貌と迫力に呑まれてしまったか、圓山さんと塩出さんの扇子には勢いがいまひとつ。
 プレイでは、今年初めての「蓬生(よもぎう)40点」と「浮舟(うきふね)35点」が仲下と坂本さんに出ました。
また、1回戦の古作さんと川越さんの対戦では両者「こつり」の応酬、終わって見れば川越さん-3点に対して-2点の古作さんの勝利という珍記録も出ました。

 特筆すべきは決勝戦まで進んだ林さんの粘り。
2回戦で澪標(みおつくし 12点)を連発した絶好調の白石さんに34対6で大敗したものの、敗者復活戦では同じ17点を得点した塩出さんと2回勝負(2回投げた得点で争う)で僅差の勝利、準決勝への出場権を獲得。
準決勝では再度、白石さんと対戦。試合は追いつ追われつの接戦、9回目で林さん20点、白石さん23点、最終10回目で林さんは「花散る里」の2点、1点差に迫る。「こつり」を出さなければ白石さんの勝利。しかし、緊張した白石さんは何かに誘われるようにその「こつり」、それもかなり激しい音の「こつり」! 判定は「大こつり」マイナス2点、無残にも21点に減点、22点の林さんの勝利となりました。ところが、待った!と林さんの声、「こつりの大か小かは微妙、小なら同点だ。そんなあいまいな勝ち方は納得行かない、2回勝負で決めよう!」 そこで両者が必死に2回を投げ、林さん8点、白石さん5点!ついに林さんは決勝戦に進出。いや~その執念には脱帽です。
さすがの林さんもここでエネルギーを使い果たしたか、決勝戦では仲下が31点対24点で優勝杯をいただきました。

 続いて江戸雑学は荻原さんの「龍を描く – 天地の気 -」
宮城県天心記念五浦(いずら)美術館開館20周年として昨年10月25日~11月26日開催された展覧会で公開された龍の名作をスライドで鑑賞しながら、「龍・・・その意味と名称に由来する言葉の意味」を解説していただきました。
語学の天才だった若き岡倉天心が開国したばかりの明治という時代に日本と西洋の文化を融和させ、横山大観などの日本画家を育てたこと、その流れを引き継いだ塩出英雄画伯(塩出さんのお父さん)が五浦六角堂を描いておられること、そして画伯の愛弟子だった荻原さんから直々の話を聞く。。。。何とも不思議で有難いご縁です。
                             (文責: 仲下)

  
きもので楽しむ投扇興           仲下の蓬生(よもぎう、40点)

         
坂本さんの浮舟(うきふね、35点)     荻原さんの講演 「龍を描く – 天地の気 -」