7月講「江戸時代の発酵技術はバイオの宝庫」

日時:7月29日(土) 午後3時~5時
場所:日本橋伊場仙ビル7階 会議室
講師:宮川都吉氏(江戸連会員)
参加費:会員 1,000円、非会員 1,500円
懇親会:天豊

 平成24年の8月講「江戸の酒」の講演で大好評を博した宮川都吉さん(発酵学のオーソリティー)に再登場いただき、「江戸時代の発酵技術はバイオの宝庫」というテーマで話をしていただきます。沢山の発酵食品や藍染など、江戸時代の発酵技術について専門家の目でわかりやすく分析してくれます。

<七月講の内容について、演者より>
江戸連の皆様 

 七月講 講演者の宮川です。既にお知らせしてあるタイトルでは講演内容がうまく伝わらないと思われるため、現在準備中の内容をざっとお知らせします。七月講(7月29日)では、日本で独自の進化を遂げてきた「発酵」についてお話しします。多少の科学と、エピソードを交えつつ、次のような内容で分かり易く解説する積りです。

1. 麹について: 清酒、味噌・醤油等の醸造に重要な「麹」は、我が国で長年育まれてきた誇るべきレガシーである。最近の科学的研究から麹の凄さが明らかになったので、最新の知見を交えて解説する。高峰譲吉は百年以上前に、麹の強力な分解(消化)酵素に着目、胃腸薬「タカジアスターゼ」を日米欧で商品化し、世界的に「バイオテクノロジーの父」として崇められている。これを嚆矢とする「世界に冠たる日本のバイオテクノロジー」の一端を述べる。

2. うま味物質について: 昆布や鰹節のうま味は和食文化を支える重要な味覚であるが、馴染みの薄い欧米の学者は、うま味は日本人独特の不可解な感覚と長年無視してきた。最近うま味発現の科学的根拠が明らかにされ、ダシのうま味が世界的にも認知され、和食ブームを後押ししている。池田菊苗は百年以上も前に、昆布のうま味物質をグルタミン酸とつきとめ、「味の素」を商品化した。その後見いだされた物質を含め、今日うま味物質は日本のお家芸のバイオテクノロジーを駆使した発酵法で製造される。

3. 藍染について: 食品以外で発酵技術が利用された稀有な例として、藍染を取りあげる。藍(インディゴ)は化学的特性により、原理的に染色に大きな困難を伴うが、微生物の働き(発酵)を利用して、この問題を見事に解決している。

7月講風景