8月講「水の都・江戸の名橋」-墨田川の橋、日本橋、水道橋、他-

日 時:8月17日(土)午後2時~4時
場 所:東京ウイメンズプラザ&オンライン(Zoom)配信
講 師:荻原延元(江戸連会員・日本画家・川村学園女子大学名誉教授)
会 費:会場参加 会員1,000円、非会員1,500円
    Zoom参加 会員500円、非会員1,000円
※会員は9月末にまとめて支払い。非会員は事前支払い、ただし関係会員との合算可

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7月講は、江戸連会員で元東京国際大学学長の荒井孝昌氏の「江戸の悪所(吉原、品川、芝居)で遊ぶにはいくらかかるか」で、参加者は現地19名、Zoom 9名でした。
テーマに関連する簡単な歴史の話からはじまり、江戸時代に悪所(あくしょ)と呼ばれた遊里と芝居町で遊ぶには、お金がいくら位必要だったのか学ぶことができた。江戸時代のお金の仕組みはとても複雑で、現在の貨幣価値に換算するのは難しいが、1両を10~12万円で考えたとのこと。男性は吉原や品川などの遊里に、芝居好きの人達はひいきの役者を見に芝居町に、決して安くはないお金を遣いに、気合いを入れて行ったことだろう。庶民は、世知辛い世の中を生き抜くために楽しみや趣味を必要とし、悪所に通った。今の世の中も同じで、何か生き甲斐や推しがあれば、働くのも楽しくなるというものである。参考資料の浅草近辺の江戸切絵図、伊能忠敬日本図(中図)、シーボルトの日本図も個人的に大変興味深く、次回はぜひ地図に関する話を伺いたいと思った。

以上     文責:山本 秀美



6月講「殿様は幕末・維新期をどう生きたのか」

日 時:6月29日(土)午後2時~4時
場 所:東京ウイメンズプラザ第一会議室A&オンライン(Zoom)配信
講 師:増田由明 氏(港区芝の語り部、EDOカフェ代表、江戸検定1級)
会 費:会場参加 会員1,000円、非会員1,500円
    Zoom参加 会員500円、非会員1,000円

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6月講は、港区芝の語り部、EDOカフェ代表、江戸検定1級の増田由明講師の「殿様は明治をどう生きたのか」、参加者は現地21名、Zoom 11名でした。幕府と大名の関係・版籍奉還、廃藩置県等幕末維新前後の殿様の置かれていた時代環境の説明。①島津久光、忠義、②毛利敬親、③松平容保、④松平定敬、⑤徳川慶勝、⑥上杉茂憲、⑦松平春嶽、⑧山内豊信、⑨鍋島直正、⑩林忠崇、⑪蜂須賀茂韶、⑫戸田氏共、⑬浅野長勲、⑭酒井忠篤、⑮徳川慶喜の15名殿様のランク、家格、藩の状況による維新前と維新以降の生き方を講演して頂きました。嘉永6年(1853)ペリー来航から明治4年7月14日の「廃藩置県」までのわずか19年間が幕末維新で、日本が大きく変わった大転換期である。それまで、各藩は幕藩体制の中で独立性が保たれて、一国単位で法と文化のまとまりを持ち、独立性を持って運営されてきた。二百八十家にのぼるすべての大名が、幕末維新の時代に社会改革がどうされていくのかを真剣に考えていたとは思われない(講師結語より)。15名の殿様の置かれた環境変化による生き様をもう少し詳しく聞きたかった講演でした。

以上     文責:小嶋 光



5月講「小布施日帰りバス旅行・葛飾北斎と小林一茶を訪ねて」

日 時:5月25日(土)午前8:00
集合場所:JR阿佐ヶ谷駅南口 ローターリ脇
行 程:8:30  阿佐ヶ谷駅前出発
    12:20 小布施着、高井鴻山記念館見学(ガイド新実さん)、街並み散策
    13:30 昼食「北斎亭(一茶御膳)」
    14:00 北斎館見学(現地ガイド付き)
    14:45 小布施堂駐車場出発、梅松寺立ち寄り岩松院へ向かう
    15:00 岩松院参拝。天井画拝見(現地ガイド付き)
        境内一茶碑の前で、一茶研究家の小林暢雄氏の「小林一茶と小布施」の講話
    15:45 岩松院出発、帰路。途中、横川SAの「峠の釜飯店」立ち寄り
    20:00 荻窪駅着、解散
参加費:一人12,000円(当日現金支払い)
募集人数:27名

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本企画は2019年に実行予定であったが、台風被害やコロナ禍により延期となっていたもので、ようやく念願の企画が実行できた。当日は絶好の行楽日和で、27名満席でバスは阿佐ヶ谷を出発。新実氏の力作の資料による案内を聴き、準備万端の状態で小布施に到着。髙井鴻山記念館では、北斎と鴻山の交流によって小布施に残された数々の作品を鑑賞し、北斎のアトリエなども見学。昼食は北斎亭で小布施名物の栗おこわを堪能。北斎館では、学芸員さんの説明を受けた後に、企画展「北斎と感情」の版本挿絵や祭り屋台の天井画を鑑賞。バスで岩松院に移動し、ガイドの説明を受けながら天井絵「八方睨み鳳凰図」を見学。境内にある蛙合戦の池に移動し、小林一茶「蛙の句碑」の前で小布施の一茶研究者・小林暢雄氏の話を伺った。見たいもの・見るべきもの満載の小布施での時間はあっという間に過ぎ、個人的にまた行きたいと思える旅となった。

以上     文責:山本 秀美



総会および4月講「浮世絵に描かれた千石船」

日 時:4月28日(日)13:00~16:00
    13:00~14:00 総 会「2023年度活動報告と決算、2024年度活動方針と予算、その他」
        *欠席の場合:圓山代表理事へ委任状を送信して下さい*
    14:00~16:00 4月講「浮世絵に描かれた千石船」
        講 師:柘植信行氏 品川歴史館専門委員(元・同副館長)
場 所:東京ウイメンズプラザ第一会議室およびZoom配信
講会費:会場参加 会員1,000円、非会員1,500円
    Zoom参加 会員500円、非会員1,000円

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4月講は、品川歴史館専門委員(元・同副館長)の柘植信行講師の浮世絵に描かれた千石船で、参加者は現地25名、Zoom 7名でした。品川宿を描いた浮世絵は多数あるが、品川沖に停泊する多くの廻船が描かれており、その廻船の数は誇張されたものなのか?との問題提起から始まった。江戸内湾の海運は下田で行われていた船改めが内湾最初の良港である浦賀湊に浦賀奉行所・船番所が開設され、廻船の船改めが行われることとなった。江戸時代の海運は江戸への御城米・藩米運送に始まる。造船技術の向上・帆船の大型化により東廻り航路・西廻り航路など江戸への航路が充実した。廻船集団により運行と流通システムが整備され三都を中心に問屋仲間を組織化した。<菱垣廻船・樽廻船・北前船・内海船>江戸中期以降海運の主力船として弁才船(千石船)と言われる大型船が出現した。品川沖の重要性は江戸内湾の海運の要として諸国の廻船が停泊していた。各藩の江戸への航行日記等によれば品川沖の停泊は28日に及ぶなど長期であった。これにより品川沖には常に多くの廻船が停泊していた事が証明された。写真の無かった時代の絵画(浮世絵含む)は記録図版との認識を新にする講演でした。

以上     文責:小嶋 光